青空文庫

「梅崎春生」の作品

梅崎春生

うめざきはるお

生年:1915-02-15没年:1965-07-19

風宴

ふうえん

初出:「早稲田文学 新人創作特輯号」1939(昭和14)年8月

58
2021/05/28

19双之川喜41さんの感想

 屍体を掘り出す奇妙な夢から始まり 友人の下宿屋の娘の死を めぐる話しである。 筋立てか 詩情かという 本質的な議論は 芥川なども 良くするところであるけど 梅崎は 圧倒的に詩情を書き込んだと感じた。

桜島

さくらじま

初出:「素直 創刊号」1946(昭和21)年9月

99
2019/10/25

19双之川喜41さんの感想

 暗号解読に従事していた梅崎は 桜島で 終戦をむかえる。 櫻島の噴煙は 戦闘によるものではないけれど 周りの自然が美しいだけに 緊迫感が 切々と胸をうつと感じた。

日の果て

ひのはて

初出:「思索 秋季号」1947(昭和22)年9月

106
2022/03/28

19双之川喜41さんの感想

 惨憺(さんたん)たる負け戦のなか 上官である脱走兵を 射殺するように 命令を受けた兵は 部下を1人連れて追跡し 脱走兵の命を絶つ。 しかし 脱走兵の情婦から 撃ちかえされ落命してしまう。 「夕闇はそこにも落ちた。」淡々と 出口のない戦いをかたる。

しじみ

初出:「文学会議」1947(昭和22)年12月

31
2019/10/08

19双之川喜41さんの感想

 初対面の男から 外套を貰う。 同じ男から その外套を 追い剥ぎにあってしまう。 取り戻した外套を着て 超満員の電車の中で 蜆の入ったリックを 手にいれる。 持ち帰った蜆が プチプチなく。 頭尾▫構想▫詩情は 申し分無いと感じた。

赤い駱駝

あかいらくだ

初出:「世界」1948(昭和23)年10月号

30
2020/08/25

19双之川喜41さんの感想

 いきなり降ってきた 自由のようでもある敗戦に 今迄は 正気であったとされる兵達は 軍事物資の掠奪に 狂奔するけど それ迄は 狂気とされていた 繊細な兵士は 自ら 短刀で喉をつき 自害する。その痛々しい兵の 脳裏には 赤い駱駝のような 壮烈な夕焼けが 遺されていた。静かな 反戦の意志が 伝わり 読み進むにつれて 不覚にも 落涙した。     

黄色い日日

きいろいひび

初出:「新潮」新潮社、1949(昭和24)年5月

64
2021/01/28

19双之川喜41さんの感想

 黄疸なので すべて黄色く 見えてしまう。 主な 友人は 編集者 犯罪者 隣人である。 闘鶏に負けて 盲目となった軍鶏の 描写に 凄味がある。 精神病院の ルポの記事は 趣向があり かつ旨みがあると感じた。 最後の数行は 難解で 未だに 考えこむ。

庭の眺め

にわのながめ

初出:「新潮」新潮社、1950(昭和25)年11月

19
2016/07/06

1e01cbf0f4fdさんの感想

昭和25年の作品にプロポーションとかシステムだとかのカタカナ文字が出てくることに、平成2年生まれの自分はとても驚いた。

Sの背中

えすのせなか

初出:「群像」講談社、1952(昭和27)年1月

58
2021/06/06

19双之川喜41さんの感想

 猿蟹合戦を もじってあるのは すぐに しれてしまう。 飲み屋の女を 恋敵から 飲み代の つけを 肩代わりする代わりに 貰い受けて 結婚する。 妻の死後に 日記に記されていた 背中に痣のある男は 誰なのか 気になって 仕方がない。 全体に 独特の ユーモアに溢れており たびたび 吹き出してしまうのである。 なかでも ヘボ将棋で 相手の取り駒を こともあろうに 買い戻すのには しばし 哄笑した。

魚の餌

さかなのえさ

初出:「改造」1953(昭和28)年10月

13
2019/10/28

19双之川喜41さんの感想

 あんな時代なので 必死で釣りをした。 梅崎は 餌を盗んだと思われる兄弟に ことさらに ゴカイをあげようとして かたくなに 断られる。 海に投げ込んだ あかいゴカイが ゆらゆらと 海底に沈む様が 美しいと感じた。

ボロ家の春秋

ボロやのしゅんじゅう

初出:「新潮」新潮社、1954(昭和29)年8月

96
2025/01/22

bde0d597778aさんの感想

ボロ家にしがみついて 他人同士がいがみあい暮らす しかしめっぽう騙されやすい 昔他人同士一つの屋根でくらすドラマが 流行っていた 懐かしい

腹のへった話

はらのへったはなし

初出:「あまカラ 4月号 第六十八号」甘辛社、1957(昭和32)年4月5日

4
2024/05/07

19双之川喜41さんの感想

 台湾の 花蓮(かれん)港から 台北に 向かう 車中で やっとの思いで 弁当を 手に入れて むさぼり食い それでも 足りない。 車窓に 見かけた 亀山島まで 食いたくなったという 下りには 吹き出した。 

八ガ岳に追いかえされる

やつがたけにおいかえされる

初出:「旅 第三二巻第八号」日本交通公社、1958(昭和33)年8月1日

6
2025/07/28

艚埜臚羇1941さんの感想

  長野県 茅野市 蓼科高原は 高橋圭三 佐田啓二 川上哲二 などなど 著名人が 夏に 見かけられたりした。梅崎と 遠藤の お二人は 蓼科山麓の 旧別荘地 御仲間と いうこともあり 親交 密なる ものが あった。すり鉢山 なんぞに登って 大喜び するのは 男が廃る から 黒百合平で 高山植物を 観察していた らしい。遠藤先生は 体が 丈夫では なかったので 帰山の 後 しばらく 躯が 痛み 仕事に 為らなかった ようだ。その後 登山 ケーブルカーが 敷設 されたりして 筋肉弱者に とっては 便利には なった ようだ。 

記憶

きおく

初出:「群像」講談社、1962(昭和37)年7月

26
2016/06/21

1dbde5ace62dさんの感想

はっきりとしない記憶の中で、互いに共通してはっきりしているものが、その事件。二人の一歩引いた関係性は最後、ぐっと縮まる。

凡人凡語

ぼんじんぼんご

初出:「新潮」新潮社、1962(昭和37)年6月

39
2020/12/13

19双之川喜41さんの感想

 ユウモア小説である。 登場人物は 知的障害者が 大半を占める。 あまり暴れると 電氣ショックの 治療を 受けることになっているけど 数分で 意識回復してしまう 患者がいて 数回の施術で やっと 効き目がでてくる。 頭が 弱いのか 強いのかは 判りにくいと感じた。

狂い凧

くるいだこ

初出:「群像」講談社、1963(昭和38)年1月~5月

280
2016/02/17

69e99d4ba5ddさんの感想

素晴らしい。一気に読めました。

幻化

げんか

初出:「新潮」新潮社、1965(昭和40)年6月

183
2019/10/31

f5412d157d40さんの感想

非常に分かりやすい描写で、文章の向こうに映像が見えた。最後、ふたりはそれぞれどうなったのかが気になる!

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