青空文庫

「森林太郎」の作品

森林太郎

もりりんたろう

生年:1862-02-17没年:1922-07-09

新浦島

しんうらしま

初出:「少年園 第二巻 第十三号」1889(明治22)年5月3日

39
2026/02/18

艚埜臚羇1941さんの感想

 永年 尻に敷かれた じじいの 晩年の 慰めは 老妻が あの世に 旅だった ことで あったようだ。あまり 赤裸々に 喜んでいる 様子を 表すと もしや 殺したのかと 嫌疑を かけられるので 悦びの 感情を 押し殺すのに 細心の 注意を はらった。老人達の 生態が 巧に 描かれている。面白いかも しれないと 感じた。

「言語の起原」附記

「げんごのきげん」ふき

初出:「萬年艸 卷第九」1903(明治36)年10月31日

5

アンドレアス・タアマイエルが遺書

アンドレアス・タアマイエルがいしょ

初出:「明星 申歳一」1908(明治41)年1月1日

15
2019/10/24

19双之川喜41さんの感想

 死をもって 抗議するということの意義は 何処にあるか。 確かに 白人夫婦の間に 黒人の赤子が生まれることは 妄想を逞しくせずとも 結論を得やすい。 夫の選択肢が 他に無かったのが痛いと感じた。

能久親王年譜

よしひさしんのうねんぷ

初出:「能久親王事蹟」春陽堂、1908(明治41)年6月29日

7

混沌

こんとん

初出:「在東京津和野小學校同窓會會報第六號」1909(明治42)年

11
2026/02/19

艚埜臚羇1941さんの感想

  混沌とした話を 混沌という文題で 語るのだから 何が なんだか わからない方が 普通だと感じた。それでも とりとめもなく 湧き出てくる 想いや 感覚の連続が 日々 過ぎって 行くことは 誰にでも よくあることだとは 想った。

当流比較言語学

とうりゅうひかくげんごがく

初出:「東亞の光 第四卷第七號」1909(明治42)年7月1日

9

長谷川辰之助

はせがわたつのすけ

初出:「二葉亭四迷」易風社、1909(明治42)年8月7日

14

私が十四五歳の時

わたしがじゅうしごさいのとき

初出:「少年世界 第十五卷第十二號」1909(明治42)年9月1日

3
2022/02/15

19双之川喜41さんの感想

 城下に 野猪が でると 父親は 竹槍を 引っ提げて 退治にでる。 それを 雨戸の 節穴から 覗いていたという。 ドイツ語の勉強は 上京後に 始めたらしい。

わらい

初出:1910(明治43)年9月1日「東亜之光」五ノ九

31
2024/04/07

19双之川喜41さんの感想

 病院の建物の 一室で 学士様と 患者様が 堂々巡(どうどうめぐ)りになりがちな 主題(しゅだい)について 果てしない 議論(ぎろん)を 繰り広げる。仕舞(しま)いには 二人とも 高笑(たかわら)いが 止まらなくなってしまう。そのけっか 拘束衣(こうそくい)を 着せられた者は 誰かという 筋立てである。深い 暗喩(あんゆ)を 秘めた 作品と 想った。

初出:1910(明治43)年9月1日「学生文藝」一ノ二

43
2024/04/14

19双之川喜41さんの感想

 男は 偶然 若い男と 彼の 自宅で お茶を 飲むことになる。死をめぐって 難解な 高踏的な ややこしい 出口の 見えない 不毛な 議論が 繰り広げられる。若い男は 自死肯定論者であった。辟易(へきえき)して その屋を 立ち去ると 巡査に 呼び止められ 自殺遺体の 検死を 依頼される。男は 医師であった。現場に 駆け付けると 若い男は 口の中に 散弾銃を 撃ち込み 無惨な 自死を 遂げていた。検死報告書を 書き上げて 街に でると 少なくとも 俺は 死んではいないと 感じる。まばゆいほど 明るい 朝日が その時 昇った。あちら側と こちら側の 対比を 描ききって 見事であると 想った。 

うづしほ

うずしお

初出:「文藝倶楽部 一六ノ一一」1910(明治43)年8月1日

52
2026/02/23

艚埜臚羇1941さんの感想

  荒れ狂う 海辺と 海洋の 峻厳たる 怒涛を 描き出し 圧倒的なる 恐怖感を 読み手に 投げつける。自然現象を 拾い 上げて こんなに みごとな 作品は ほかに あまり 類を 見ないように 感じた。

薔薇

ばら

初出:「女子文壇 七ノ八」1911(明治44)年7月1日

13
2022/09/10

d4bc861f3229さんの感想

さて、これは一体どう読むべきか。鴎外が気に入って翻訳したものと見るべきか。 ベタベタに甘やかされたお嬢様の、突然で壮絶な死。それは読者にとって衝撃であり、そこに到る過程への興味を引き起こすものである。しかしながら、それへのヒントは少なく読者は確証の持てない強引な解釈をするしかない。 もっともらしい顔をしながら意地悪く読者を馬鹿にして、イヒヒと歯を見せているような、つまり鴎外の好きそうな話である。そしてそれ以上の価値はない作品である、と私は見た。

クサンチス

クサンチス

初出:「新小説 一六ノ七」1911(明治44)年7月1日

28
2024/04/30

19双之川喜41さんの感想

 クサンチスは 飾り箱の中に住む ギリシャ生まれの 踊り子の人形である。いとも やすやすと 一線を 踏み外すので 他の人形から 大変 重宝されている。ある時 彼女の 信奉者である ファウヌスは クサンチスが 支邦人の人形の膝に 乗っているところを 見てしまい 嫉妬に狂って 木端微塵(こっぱみじんに)に 彼女を 壊してしまう。そのため かれは 箱から外に 売られてしまう。この騒ぎから 何かしらの 教訓を得ることが できるであろうか。私は この現実の世間も 箱の中の 閉鎖空間(へいさくうかん)と 似たようなものと 感じた。

板ばさみ

いたばさみ

初出:「三田文学 二ノ七」1911(明治44)年7月1日

41
2025/08/12

艚埜臚羇1941さんの感想

  露国の 下級官吏である 男は たまたま 新聞の 検閲官を 望みも しないのに 上司から 命じ られて しまう。その結果 まるで 標的の ように その 官吏は 各方面から 異論の 集中砲火を 浴びる。まるで 鉄砲で 後ろから 撃たれるような 酷い 目にも 会う。その ために 身体の 具合が 悪くなり 片目は 失明し 半身は ほぼ 自由にならない。新聞記事に 対する 厳しい 検閲の まるで 報復を うけた かのよう みえたりする。重厚な 作品の 作り でありながら ユウモアに 充ち 完成度の 高い すぐれた 文章と 確信した。

鼎軒先生

ていけんせんせい

初出:「東京經濟雜誌 第六十三卷第千五百九十一號」1911(明治44)年4月22日

5
2026/02/13

艚埜臚羇1941さんの感想

  時代は 東西 両洋の 文化を ニ本足で 捉えている 学者を 要求する。だが ニ本足の 学者は なかなか でてこない。世間では 一本足 同士が 葛藤を 起こしたりして 話しを ややこしく するという。深い 洞察と 感じた。

ロビンソン・クルソオ

ロビンソン・クルソオ

(序に代ふる会話)

初出:「漂流物語ロビンソン・クルーソー」富田文陽堂、1911(明治44)年5月10日

12
2017/06/23

ee92929eebd3さんの感想

最悪ー

駆落

かけおち

初出:「女子文壇 八ノ一」1912(明治45)年1月1日

12
2025/08/08

艚埜臚羇1941さんの感想

  本書の 原作者 リルケは 世界的にも 高名な 詩人であり 本作品は 散文 したての 韻文と みたてても さしたる 間違いは なさそうである。ひとくちで いえば 駆け落ち 未遂の 顛末記 なのだけど 一文 一文が うつくしく 高みに たっしている。詩情 あふれる 展開で 文字書きが めざす べき 境地を しめしている。熟読玩味 すべきと 確信した。

十三時

じゅうさんじ

初出:「趣味」六ノ四、1912(大正元)年10月1日

20
2026/02/27

艚埜臚羇1941さんの感想

  多くの人が目安にしている 暗黙の決まりのようなものが 崩れ去るとどうなるかという 浅いようで深い問題を内包した ためになるかも しれない展開です。でも 何も 学習せず 十年 一日の 思考 回路の お方には 反復性 痴呆症を 治す 特効薬には ならないことが よむまえから 案じられます。

不可説

ふかせつ

初出:「昴 四ノ五」1912(明治45)年5月1日

14
2025/08/09

艚埜臚羇1941さんの感想

  題意は 説明が できない との 意味で あろうか。自死の 直前に 友人に 遺書を 届けさせる。まったく 死因が ないのに 死を 選ぶ。縷々 説明されれば されるほど そんな わけは あるはずは ないと 読み手には 疑惑の 念が 沸き 起こる。書き手の 創作の 意図は 那辺に あるのか 躍起になって 探り回る けど 簡単に 合点する わけもない。苛々させる のが ねらいなら うまく いったと ほくそえんで いるのは 書き手か。ほかには 類を 見ない 独特な 文章と 感じた。

祭日

さいじつ

初出:「心の花 一六ノ一」1912(明治45)年1月1日

20
2025/08/10

艚埜臚羇1941さんの感想

  法事みたいな あつまりの あとに 未亡人の 屋敷に 皆で 連れ 立って そこの 食事会に 行く。まあ 鹿肉の ご馳走が 用意 されて いたりして 和やかな 個人を しのぶ 会とは なるけど たまげるのは この 椅子は 何とかの 亡くなった ときに 座して いた もの。 こちらは だれそれが 悶絶した 椅子。このての 会話が 延々と つづく。この 西洋の 名家の つどいは 薄気味悪い もんだと しみじみ 感じ いった。 

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