青空文庫

「当流比較言語学」の感想

当流比較言語学

とうりゅうひかくげんごがく

初出:「東亞の光 第四卷第七號」1909(明治42)年7月1日

鴎外9

書き出し

或る國民には或る詞が闕けてゐる。何故闕けてゐるかと思つて、よく/\考へて見ると、それは或る感情が闕けてゐるからである。手近い處で言つて見ると、獨逸語に Streber といふ詞がある。動詞の streben は素と體で無理な運動をするやうな心持の語であつたさうだ。それからもがくやうな心持の語になつた。今では總て抗抵を排して前進する義になつてゐる。努力するのである。勉強するのである。隨て Streb

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