青空文庫

「笑」の感想

わらい

初出:1910(明治43)年9月1日「東亜之光」五ノ九

鴎外31
内省死の受容病中苦悩孤絶憂鬱静謐

書き出し

窓の前には広い畑が見えてゐる。赤み掛かつた褐色と、緑と、黒との筋が並んで走つてゐて、ずつと遠い所になると、それが入り乱れて、しほらしい、にほやかな摸様のやうになつてゐる。この景色には多くの光と、空気と、際限のない遠さとがある。それでこれを見てゐると誰でも自分の狭い、小さい、重くろしい体が窮屈に思はれて来るのである。医学士は窓に立つて、畑を眺めてゐて、「あれを見るが好い」と思つた。早く、軽く、あちら

2024/04/07

19双之川喜41さんの感想

 病院の建物の 一室で 学士様と 患者様が 堂々巡(どうどうめぐ)りになりがちな 主題(しゅだい)について 果てしない 議論(ぎろん)を 繰り広げる。仕舞(しま)いには 二人とも 高笑(たかわら)いが 止まらなくなってしまう。そのけっか 拘束衣(こうそくい)を 着せられた者は 誰かという 筋立てである。深い 暗喩(あんゆ)を 秘めた 作品と 想った。

2020/11/15

19双之川喜41さんの感想

 多分 病院の中の一室で 学士と患者が 堂々巡りになり勝ちな話題について 消耗戦とでも呼ぶべき議論を 始める。 仕舞いには 二人とも 高笑いが 止まらなくなる。 さて 拘束衣を 着たものは 誰かという筋であるけど 深いと感じた。

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