夏向きの一夜
なつむきのいちや
初出:「東京労働新聞」1950(昭和25)年8月10日
約5分
艚埜臚羇1941さんの感想
高名な 詩人の 貘さんは 誰が 見かけても 相当 怪しい 風貌を しているので 誰何(すいか)されること かずしれず 怒りも しないで 丁寧に 応答していた けど 面倒臭いので そのことを やはり 詩人の 佐藤春夫に こぼすと 僕が 証明書を 書いてやろうと 名刺に 書いてくれた。春夫を 知っている 人は ごく 少ないので 効き目は あまりなかった という。また 詩の 好きな 巡査が 同じような 名刺を 作ってくれた。それを 見せると 日比谷公園の 交番で 番所の 裏の 茂みを 此処なら 良いだろうと 示して くれたと いう。