青空文庫

「ダルマ船日記」の感想

ダルマ船日記

ダルマせんにっき

初出:「中央公論」中央公論社、1937(昭和12)年12月号

山之口20

書き出し

×月×日金眼を覚ましてみると、側に寝ていた筈の六さんの姿は見えなかった。居候のくせに、なぜこうも寝坊するのであろうか。桝のような船室から首を出して、甲板を見廻わすと、既に、七輪の薬罐が湯気を吹きあげていた。この船の名は、水神丸。積載量百トン。型は、通称ダルマと言っている。年齢は、三十五歳。生れは深川。まるで、老人みたいな風貌だ。無数の皺の合間合間には、鉄錆びが汚みついている。艫には船室があって、三

2023/03/24

cbeb8d424306さんの感想

ダルマ舟の生活が克明に描かれていてまるでその現場にでも居るような気がします。自分の本意ではない境遇でも悲壮感を感じさせない生きざまにたくましい生命力を感じます。レールの無い人生をしたたか生きる姿に励まされました。

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