青空文庫

「星のわななき」の感想

星のわななき

ほしのわななき

民喜12
喪失と記憶家族不和歴史的背景病中苦悩回顧的憂鬱静謐

書き出し

星のわななき原民喜私は「夏の花」「廃墟から」などの短編で広島の遭難を描いたが、あれを読んでくれた人はきまつたやうに、「あの甥はどうなりましたか」と訊ねる。「健在ですよ」と答へるものの、相手には何か腑に陥ちない様子がうかがはれるのであつた。してみると、どうもあのところは書き足りないのではなかつたかと思へる。それで、甥のところだけを切離してちよつと書添へておく。私たちは八月六日に広島で遭難し、八日に八

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