イボタのむし
書き出し
無理に呼び起された不快から、反抗的に、一寸の間目を見開いて睨むやうに兄の顔を見あげたが、直ぐ又ぐたりとして、ヅキンヅキンと痛む顳※を枕へあてた。私は、腹が立つてならなかつたのだ。目は閉ぢはしてゐても。枕許に立つてゐて自分を監視してゐるであらう兄の口から、安逸を貪ることを許さないと云ふ風な、烈しい言葉が、今にも迸りさうに思はれてゐたのだ。兄は併し、急き立てて私の名を呼びつづけようとはしなかつた。もう…
青白き夢
板ばさみ
小祝の一家
19双之川喜41さんの感想
効くこともあろうかという 妙な薬を 危篤の姉のために 探して歩く。 心細い気持ちが 過不足なく表されており 読後は 充実感にみたされると 想った。