しょうこせいぼ
書き出し
天草の原の城の内曲輪。立ち昇る火焔。飛びちがふ矢玉。伏し重なつた男女の死骸。その中に手を負つた一人の老人。老人は石垣の上に懸けた麻利耶の画像を仰ぎながら、高声に「はれるや」を唱へてゐる。忽ち又一発の銃弾。老人はのけざまに仆れたぎり、二度と起き上る気色は見えない。白衣の聖母は石垣の上から、黙黙とその姿を見下してゐる。おごそかに、悠悠と。白衣の聖母?いや、わたしは知つてゐる。それは白衣の聖母ではない。…
姉川合戦
夜明け前
李陵
d_AIRainさんの感想
芥川先生のキリシタン文学の一端