青空文庫

「妖術」の感想

妖術

ようじゅつ

鏡花34
下町風土季節の移ろい怪奇叙情的幽玄

書き出し

一むらむらと四辺を包んだ。鼠色の雲の中へ、すっきり浮出したように、薄化粧の艶な姿で、電車の中から、颯と硝子戸を抜けて、運転手台に顕われた、若い女の扮装と持物で、大略その日の天気模様が察しられる。日中は梅の香も女の袖も、ほんのりと暖かく、襟巻ではちと逆上せるくらいだけれど、晩になると、柳の風に、黒髪がひやひやと身に染む頃。もうちと経つと、花曇りという空合ながら、まだどうやら冬の余波がありそうで、ただ

2024/07/15

8eb05d040692さんの感想

幻想的でとても美しい。はたして女は何者だったのか、それを突き詰めるのは野暮なのかな

2017/07/08

02b43c037a99さんの感想

文章の美しさに胸を打たれました。読み返し、何度でも余韻に浸りたい作品です。

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