罪と罰
つみとばつ
初出:「ドストイエフスキイ全集 第五巻」三笠書房、1935(昭和10)年1月20日発行
約1667分
雨を見たかいさんの感想
昔々、名作というので一応読んでおこうと思って読みました。
何と無く遠い異国の物語として読んだが、読み返してみると、ぐっ、ときた。
罪とは?罰とは?
人間は皆、ラスコーリニコフと同じ罪がある。罪の源は「自分勝手」「自己中心的」な考え方である。人は誰でもそうであり、犯罪というのはその自己中の考えを他者に影響を与える程の行動をし、法律のボーダーラインを超えるかどうかで決められ、裁かれる。
ラスコーリニコフは常に自分のしてしまった犯罪に苦しんではいるものの、言い訳ばかり考えている。罪の本質が分からなくて苦悩する。自分を正当化しようとする。つまり、自己中である。
その罪を自覚する事こそが、「罰」であるという事をソーニャの存在で知る事が出来たのだろう。
ソーニャは「自己中心的」とは真逆の人物で常に他者の為に心を痛め、奉仕し、行動する。不器用ではあるが、その心は「無償の愛=神」をそこに見いだせる。それを受け入れる事が出来た時、初めて彼は「罪」を自覚し、「罰」を受ける事となる。
所謂、新約聖書のローマ人への手紙の「罪の報いは死」という言葉に繋げて、ラスコーリニコフは罪を受け入れた、そして以前の彼は死んだ(罰を受けた)。
そして、ラストのラザロの「復活」と、以前のラスコーリニコフは死んで、新しい彼に復活したという意味に繋がっていく。
…という解釈を私はしたのですが、年齢を重ねて読み直す名作はまた若い頃とは違った気持ちで読めて楽しかったです。