ありしまたけお
明治〜大正 / 白樺派
有島武郎(1878年3月4日-1923年6月9日)は、東京出身の小説家で、明治から大正にかけて活躍した。学習院中等科を卒業後、札幌農学校へ進学し農学者を志すも、1903年にアメリカへ渡りハーバード大学で歴史・経済学を学ぶ。帰国後は志賀直哉や武者小路実篤らとともに同人誌『白樺』に参加し、白樺派の中心人物となる。代表作には『カインの末裔』『或る女』があり、宗教的・社会的テーマを鋭く描いた。1923年、…
代表作
潮霧
ガス
初出:「時事新報 第11839號~第11841號」1916(大正5)年8月1日~3日
19双之川喜41さんの感想
暖かい海流と 冷たい海流が ぶつかるところに 濃い霧が 発生する。北国の人々は それを 「ガス」と呼ぶらしい。室蘭を出て 函館に向かう 小さな汽船で 潮霧(ガス)に 見舞われたけれども 惠山にもぶつからず なんとか目的地に着く。些事ながら 有島は 「魔女の 髪ように乱れた」という 表現を 他の文章でも 使っている。 お気に入りの表現 らしいと思った。
二つの道
ふたつのみち
初出:「白樺」1910(明治43)年5月
ec538f32331eさんの感想
哲学これ?人生は選択により構成されていると言うことなのかなー。よく解らなかったが、もう一度読んで、理解しようとはまで思わない。
かんかん虫
かんかんむし
初出:「白樺」1910(明治43)年10月
或る女
あるおんな
1(前編)
初出:「白樺」1911(明治44)年1月~1913(大正2)年3月(『或る女のグリンプス』として)
cb06b68471b9さんの感想
或る「怖い」女、ですね。
An Incident
アン インシデント
初出:「白樺」1914(大正3)年4月
夜中に 幼子が むずかりだすと 果てしがなく 収拾がつかなくなるのは 多くの人が 体験するところである。 狭いところに閉じ込めたりしても 自己嫌悪が進むだけであり 後味はひどく悪い。 やむなく 行われる 躾てあるけど 心の動きが 過不足 なく描かれていて 誠に興味深いと感じた。
幻想
げんそう
初出:「白樺 第五卷第八號」1914(大正3)年8月1日
お末の死
おすえのし
初出:「白樺」1914(大正3)年1月
『聖書』の権威
せいしょのけんい
初出:「新潮」1916(大正5)年10月号
b36d4dc785b5さんの感想
自分自身で分からないことや答えが出ないものは本にするべきではないということが彼の意見。私は、委ねていて、途中で、あれ?と思って最後、結局、何が言いたいのか分からなく、ムズムズした。
フランセスの顔
フランセスのかお
初出:「新家庭 第一巻第一号」玄文社、1916(大正5)年3月1日
カインの末裔
カインのまつえい
初出:「新小説」1917(大正6)年7月
a9b2be4143a4さんの感想
この物語をして主人公をカインに例えるのは、酷な気がします。 小作人という存在と、そこから搾り取るだけ搾り取る世の中から生まれた人間に、大きくて頑丈な体を授けたらこうなるのは必然な気もします。 もしカインの末裔というタイトルがふさわしいのならば、主人公が死ぬときに地主が死なないと割に合わないのではないでしょうか。
クララの出家
クララのしゅっけ
初出:「太陽」1917(大正6)年9月
3ed03c39f1caさんの感想
聖女願望というか女性の処女性というか…男女間に交わされる感情に随分潔癖なものを求めている感じなのに常に性的ないやらしさも伴っている感じ。 人間的ないやらしさからの決別か。 女性が書いたのかなと思わせるような表現がいくつかあって筆者の女性性を垣間見る感じでした。
実験室
じっけんしつ
初出:「中央公論 第三十二年第十號秋期大附録號」1917(大正6)年9月1日
6cfad47ba947さんの感想
今まで何体も解剖してきて、やはり身内の解剖は別ものなんだと思った。
平凡人の手紙
へいぼんじんのてがみ
初出:「新潮 第二十七卷第一號」1917(大正6)年7月1日
私の父と母
わたしのちちとはは
初出:「中央公論」1918(大正7)年2月
496b7f29770aさんの感想
薩摩の男はやっせんぼな癖に我が強くてあまり人に相談せずに実行しようとし、また言い出したら聞かない癖もあり……有島氏のお父上も、やはり薩摩の血が流れてるなぁと思えた。お母上はなかなか独特な方で、気難しい感じが伝わってきたが、精神修養し、安定されたのは本当によかったと思う。不満は多々あったようだが、御両親をとてもよく慕っておられたように思えた。
小さき者へ
ちいさきものへ
初出:「新潮」1918(大正7)年1月
e6e16bade96bさんの感想
親としての作者から子供に向けて書かれた文章。エゴの塊だが語彙と描写は卓越している。この人は子供をたいそう可愛がったのだろうと思わせる。
2(後編)
初出:「有島武郎著作集 第九巻」叢文閣、1919(大正8)年6月
9db341ba634aさんの感想
倉地のような男のどこに何の魅力があるのか。命懸けでこんなくだらない下品な男に狂う葉子。またその葉子の中にも優れた所は容姿だけで他に何も見当たらないのだから始末に負えない。ひたすらに愚かものであり愚かなまま死ぬ。明治時代の骨董のような作であるとしても何一つ汲めなかった。
春
はる
初出:「新小説 第二十四年第四號」1919(大正8)年4月1日
艚埜臚羇1941さんの感想
北国では 芥取車(あくとりしゃ)の 前身は 橇(そり)だった らしい。有島は 春は 刺激が 強すぎるので もろに 春の 季節を 感じることは 好まないとする。なので 春は 回想するのが 好きだという。半分くらいは 同感した。
小さき影
ちいさきかげ
初出:「大阪毎日新聞 第一二七五四號~第一二七六一號」1919(大正8)年1月5日~12日
阿波のケンさんさんの感想
生活は平穏だが心は暗い。小さい子供のことに悩める作者の心情を吐露した作品。場所が軽井沢と推察されることが作品に清涼感を与えている。
一房の葡萄
ひとふさのぶどう
初出:「赤い鳥」1920(大正9)年8月
5ac74dee8c22さんの感想
この先生すごい。 おそらく主人公は一辺倒に叱ったらこのまま坂を転がり落ちてただろう。 優しくすることで罪悪感を噛み締める時間を与えて、絶対に登校すると約束させることで他責思考や自暴自棄になる気持ちを抑え、反省を促したに違いない。 誰しもがこの処罰で立ち直りはしない、このプライドか高い割に卑怯な行為をしてしまった主人公だからこそこの反応なんだろうと感じた。 でも、ジムにはあとから、何年も経った後でもいいから、謝ってほしい。その機会を与えないジムじゃないと信じたい。
惜みなく愛は奪う
おしみなくあいはうばう
初出:「有島武郎著作集 第一輯」叢文閣、1920(大正9)年6月