青空文庫

「旧主人」の感想

旧主人

きゅうしゅじん

初出:「新小説」1902(明治35)年11月

島崎藤村105
下宿生活回顧的家族不和農村の生活叙情的憂鬱静謐

書き出し

一今でこそ私もこんなに肥ってはおりますものの、その時分は瘠ぎすな小作りな女でした。ですから、隣の大工さんの御世話で小諸へ奉公に出ました時は、人様が十七に見て下さいました。私の生れましたのは柏木村——はい、小諸まで一里と申しているのです。柏木界隈の女は佐久の岡の上に生活を営てて、荒い陽気を相手にするのですから、どうでも男を助けて一生烈しい労働を為なければなりません。さあ、その烈しい労働を為るからでも

2022/01/23

1a21e505eaf4さんの感想

奉公人の語る前向き勤め先の事件。今風にいうと、家政婦は見ちゃった事件、かも。幼いお定は、奉公にでることになった。大きなお屋敷だったが、長男が母屋を使い、次男さんが離れを使って同じ敷地に住んでいる。次男は経営の手腕にすぐれ、最近離婚して東京の若くて美しい妻を得たのだったが。藤村が書くとこうなるのか。物語の終わり、皮肉よりもユーモアを感じる。

2019/10/16

かいばしらさんの感想

終わり方が好き。なぜか頭に残っていて離れない。 穢多を読みながら思ったけれど、この人が書く状況の描写が好きなのかもしれない。

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