ながつかたかしかしゅう
3 下
3 げ
書き出し
明治四十四年乘鞍岳を憶ふ落葉松の溪に鵙鳴く淺山ゆ見し乘鞍は天に遙かなりき鵙の聲透りて響く秋の空にとがりて白き乘鞍を見し我が攀ぢし草の低山木を絶えて乘鞍岳をつばらかにせりおほにして過ぎば過ぐべき遠山の乘鞍岳をかしこみ我が見し乘鞍と耳に聲響きかへり見て何ぞもいたく胸さわぎせしおもはぬに天に我が見し乘鞍は然かと人いはゞあらぬ山も猶くしびなる山は乘鞍かしこきろ山の姿は目にかにかくに乘鞍をまことにいへば只白…
冬の蠅
疾中
思い出す事など