思い出す事など
おもいだすことなど
初出:「朝日新聞」1910(明治43)年10月~1911(明治44)年4月
夏目漱石約171分
回顧的文壇交友病中苦悩静謐内省的憂鬱
書き出し
一ようやくの事でまた病院まで帰って来た。思い出すとここで暑い朝夕を送ったのももう三カ月の昔になる。その頃は二階の廂から六尺に余るほどの長い葭簀を日除に差し出して、熱りの強い縁側を幾分か暗くしてあった。その縁側に是公から貰った楓の盆栽と、時々人の見舞に持って来てくれる草花などを置いて、退屈も凌ぎ暑さも紛らしていた。向に見える高い宿屋の物干に真裸の男が二人出て、日盛を事ともせず、欄干の上を危なく渡った…
2020/11/07
19双之川喜41さんの感想
伊豆での 壮絶な闘病生活を綴る。 複数の医師 看護師 社をあげての支援体制には 驚かされる。 気力・体力の低下する中でも 思索は 続く。 強靭な精神力に 大したものだと思った。
2015/12/15
9b1eca7d3da1さんの感想
日本語が美しすぎる。何度でも読みたい。夏目漱石が死の淵に立った際の生死感、それの変化。
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