青空文庫

「右門捕物帖」の感想

右門捕物帖

うもんとりものちょう

08 卍のいれずみ

08 まんじのいれずみ

下級官吏の描写歴史的人物の描写静謐叙情的回顧的

書き出し

1——今回は第八番てがらです。それがまた因縁とでも申しますか、この八番てがらにおいても、右門はまたまたあの同僚のあばたの敬四郎とひきつづき第三回めの功名争いをすることになりましたが、事の起きたのは八月上旬でありました。旧暦だからむろんひと月おくれで、現今の太陽暦に直すと、ほぼ九月の季節にあたりますが、だから暦の上ではすでに初秋ということになってはいるものの、日ざかりはかえって真夏よりしのぎにくいく

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