青空文庫

「麦藁帽子」の感想

麦藁帽子

むぎわらぼうし

初出:「日本國民」日本國民社、1932(昭和7)年9月号

辰雄41
回想孤絶少年の日常恋愛観の相対化叙情的懐古静謐

書き出し

私は十五だった。そしてお前は十三だった。私はお前の兄たちと、苜宿の白い花の密生した原っぱで、ベエスボオルの練習をしていた。お前は、その小さな弟と一しょに、遠くの方で、私たちの練習を見ていた。その白い花を摘んでは、それで花環をつくりながら。飛球があがる。私は一所懸命に走る。球がグロオブに触る。足が滑る。私の体がもんどり打って、原っぱから、田圃の中へ墜落する。私はどぶ鼠になる。私は近所の農家の井戸端に

2016/05/09

973e53c1c162さんの感想

堀辰雄の生涯の中の大きな出来事である母の死が描かれている点は堀辰雄の私小説の中にロマン主義を盛り込む作風が見て取れた。しかし、この作品は堀辰雄文学の未完成形とされており風たちぬなど確立した後の作品と比較して読むとさらに面白いかもしれない。

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