青空文庫

「悪夢」の感想

悪夢

あくむ

民喜4
歴史的背景死の受容社会批評憂鬱静謐鬱屈

書き出し

僕は外食に出掛けて行くため裏通りを歩いている。ある角を曲って二三歩行ったかと思うと僕の視線は何気なく四五米先の二階の窓の方に漂う。反射的に立ちどまる。空間をたち切って突然、黒い一箇の塊りが墜落して行く。二階の窓際で遊んでいた子供なのだ。子供の体はどしんとアスフアルトに衝突する。ざくっという音響がきこえる。僕の体のなかにも、ずしんと何か音がひびく。僕はびっくりして立留まっている。しーんとしたなかに風

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