青空文庫

「山陰の風景」の感想

山陰の風景

さんいんのふうけい

――歌になるところ――

――うたになるところ――

喪失と記憶旅の情景民俗学憂鬱懐古静謐

書き出し

山陰と云つても、東は丹後但馬から西は石見に及んでゐて、區域が廣いからさし當りここでは、但馬の城崎附近を書いて見よう。又歌になる所と云つても、好い眼さへ持つてゐれば、何處にも詩は見出されるのだから、今は私に興味があつた處をあげてゆくに止める。城崎温泉城崎の町は、山陰線が北上して、日本海の海岸へ出ようとする一里ばかり手前で、西へ折れてゐる、其曲り角の處に當つてゐる。私がここへ行つたのは、大正五年六月の

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