青空文庫

「女の一生」の感想

女の一生

おんなのいっしょう

初出:「女の一生」文明社、1946(昭和21)年10月刊、初演は1945(昭和20)年4月

森本126
下宿生活喪失と記憶孤絶歴史的背景憂鬱懐古静謐

書き出し

人布引けい知栄の少女時代堤しず野村精三伸太郎職人井上栄二女中清総子刑事一ふみ刑事二章介知栄第一幕の一堤家の焼跡。昭和二十年十月のある夜。正面右手寄りに、之だけが完全に残った石燈籠。左手に壕舎の屋根、舞台右手寄りに切石が二つ三つ積んである。高台と見えて地平線の空が月明に明るい。石燈籠の脇に堤けい、向うむきに坐りこんでいる。じっとして動かない。髪に白いものも多く、戦禍をくぐって来た事とて年よりもぐっと

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