青空文庫

「写真」の感想

写真

しゃしん

初出:「輝ク」1936(昭和11)年6月17日号

喪失と記憶孤絶家族不和歴史的背景憂鬱静謐鬱屈

書き出し

長さ三尺に高さ二尺六七寸の窓がある。そこには外から室内は見えるが、内部から廊下の方はよく見ることの出来ないような角度で日除け板簾のような具合に板がこまかく張られている。一通の手紙がその板のすき間から投げこまれ、下に畳み重ねてある夜具の上に落ちた。私は本を読んで熱中していたのだが背後のその気勢は素早く感じ、振向いて立ち、二足ばかりで夜具のところに達した。手紙は一人の友達からであった。箱根の山へピクニ

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