インドさらさ
初出:「中央公論」1912(大正元)年11月
書き出し
一「鸚鵡さん、しばらくね……」と眞紅へ、ほんのりと霞をかけて、新しい火の※と移る、棟瓦が夕舂日を噛んだ状なる瓦斯暖爐の前へ、長椅子を斜に、ト裳を床。上草履の爪前細く※娜に腰を掛けた、年若き夫人が、博多の伊達卷した平常着に、お召の紺の雨絣の羽織ばかり、繕はず、等閑に引被けた、其の姿は、敷詰めた絨氈の浮出でた綾もなく、袖を投げた椅子の手の、緑の深《ふか…
人外魔境
難船小僧
茸の舞姫