青空文庫

「茸の舞姫」の感想

茸の舞姫

きのこのまいひめ

鏡花40
下町風土奇人描写孤絶怪奇叙情的幽玄

書き出し

一「杢さん、これ、何?……」と小児が訊くと、真赤な鼻の頭を撫でて、「綺麗な衣服だよう。」これはまた余りに情ない。町内の杢若どのは、古筵の両端へ、笹の葉ぐるみ青竹を立てて、縄を渡したのに、幾つも蜘蛛の巣を引搦ませて、商売をはじめた。まじまじと控えた、が、そうした鼻の頭の赤いのだからこそ可けれ、嘴の黒い烏だと、そのままの流灌頂。で、お宗旨違の神社の境内、額の古びた木の鳥居の傍に、裕福な仕舞家の土蔵の羽

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