青空文庫

「大菩薩峠」の感想

大菩薩峠

だいぼさつとうげ

34 白雲の巻

34 はくうんのまき

中里介山275
作家の日常文学批評旅の情景叙情的懐古軽妙

書き出し

一秋風ぞ吹く白河の関の一夜、駒井甚三郎に宛てて手紙を書いた田山白雲は、その翌日、更に北へ向っての旅に出で立ちました。僅かに勿来の関で、遠くも来つるものかなと、感傷を逞しうした白雲が、もうこの辺へ来ると、卒業して、漂浪性がすっかり根を張ったものですから、※徊顧望なんぞという、娑婆ッ気も消えてしまって、むしろ勇ましく、北地へ向けてのひとり旅が成り立ちました。得てして、人間の旅路というものはこんなもので

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