青空文庫

「気のいい火山弾」の感想

気のいい火山弾

きのいいかざんだん

宮沢賢治10
童話的ファンタジー自己認識自然と人間の冥通叙情的懐古静謐

書き出し

ある死火山のすそ野のかしはの木のかげに、「ベゴ」といふあだ名の大きな黒い石が、永いことじぃっと座ってゐました。「ベゴ」と云ふ名は、その辺の草の中にあちこち散らばった、稜のあるあまり大きくない黒い石どもが、つけたのでした。ほかに、立派な、本たうの名前もあったのでしたが、「ベゴ」石もそれを知りませんでした。ベゴ石は、稜がなくて、丁度卵の両はじを、少しひらたくのばしたやうな形でした。そして、ななめに二本

1 / 0