青空文庫

「木蔭の椽」の感想

木蔭の椽

こかげのえん

初出:「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年5月30日

下宿生活内省家族不和回顧的静謐鬱屈

書き出し

今朝は、家じゅうが目醒しで起きた。Yが京都へ特急で立つのだ。ゆうべ、N氏のところを訪ね、十一時すぎに帰ってから風呂に入った。よく眠り、目醒しが鳴った始めの方を聞きとれなかったらしい。はっと気がついたら、茶の間で盛にオテテコテンテン、と陽気にオールゴールが鳴って居るのでびっくりした。家の目醒しは、引越し祝にN氏から贈られたもので、普通の目醒し時計のようにジジジジとただやかましくなるのではない。時間に

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