つたのもん
初出:「むらさき」1938(昭和13)年1月
書き出し
私の住む家の門には不思議に蔦がある。今の家もさうであるし、越して来る前の芝、白金の家もさうであつた。もつともその前の芝、今里の家と、青山南町の家とには無かつたが、その前にゐた青山隠田の家には矢張り蔦があつた。都会の西、南部、赤坂と芝とを住み歴る数回のうちに三ヶ所もそれがあるとすれば、蔦の門には余程縁のある私である。目慣れてしまへば何ともなく、門の扉の頂より表と裏に振り分けて、若人の濡れ髪を干すやう…
朴の咲く頃
なまけ者と雨
蘆声
19双之川喜41さんの感想
蔦の若芽を 悪童たちが 手の届く高さに 横一文字に むしりとる。 その屋の 御手伝いが 目の敵にして 子等を叱りつけたりする。 茶屋の少女は 看護師として 戦地に 赴く。 詩味溢れると感じた。