青空文庫

「鍛冶の母」の感想

鍛冶の母

かじのはは

伝説の翻案孤絶歴史的背景叙情的懐古緊迫

書き出し

一土佐の国の東端、阿波の国境に近い処に野根山と云う大きな山があって、昔は土佐から阿波に往く街道になっていた。承久の乱後土佐へ遷御せられた後土御門上皇も、この山中で大雪に苦しまれたと云うことが「承久記」の中にも見えている。旧幕の比は土佐藩で岩佐の関と云う関所を置いてあった。これは土阿の国境に聳立った剣山や魚梁瀬山の脈続きで、山の中の高い処は海抜四千一百五十尺もある。今、安芸郡の奈半利村から東に向って

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