ばんがり
書き出し
一初冬の夜更である。片山津(加賀)の温泉宿、半月館弓野屋の二階——だけれど、広い階子段が途中で一段大きく蜿ってS形に昇るので三階ぐらいに高い——取着の扉を開けて、一人旅の、三十ばかりの客が、寝衣で薄ぼんやりと顕れた。この、半ば西洋づくりの構は、日本間が二室で、四角な縁が、名にしおうここの名所、三湖の雄なる柴山潟を見晴しの露台の誂ゆえ、硝子戸と二重を隔ててはいるけれど、霜置く月の冷たさが、渺々たる水…
運命論者
猿ヶ島
世界怪談名作集
19双之川喜41さんの感想
鳥の狩猟を こころよく思わない男が 宿の女を 偽計をもって止めさせようと そそのかす。 最終部の 残虐さが 詩味を吹き飛ばしてしまうのは 惜しまれると 感じた。