すいせんのげんそう
書き出し
すべての草木が冬枯れはてた後園の片隅に、水仙が五つ六つ花をつけてゐる。そのあるものは、肥り肉の球根がむつちりとした白い肌もあらはに、寒々と乾いた土の上に寝転んだまま、牙彫りの彫物のやうな円みと厚ぽつたさとをもつて、曲りなりに高々と花茎と葉とを持ち上げてゐる。白みを帯びた緑の、女の指のやうにしなやかに躍つてゐる葉のむらがりと、爪さきで軽く弾いたら、冴え切つた金属性の響でも立てさうな、金と銀との花の盞…
マリヴロンと少女
薬草取
月に吠える