川端康成第四短篇集「心中」を主題とせるヴァリエイシヨン
かわばたやすなりだいよんたんぺんしゅう「しんじゅう」をしゅだいとせるヴァリエイション
書き出し
彼が妻と七才になる娘とを置き去りにして他郷へ出奔してから、二年になる。その間も、時々彼の心を雲翳のやうに暗く過るのは娘のことであつた。「若し恙なく暮してゐるのだつたら、もう學校へあがつてゐる筈だ。あの娘等の樣に」他郷の町の娘等は歌を歌つたり、毬をついたり、幸福そうに學校へ通つてゐた。——幸福そうに。そのうちに彼は、父に捨てられた幼い者の姿で、毬をついてゐる、自分の娘を感じる瞬間を持つ樣になつた。そ…
猫のにゃんたろうさんの感想
芥川龍之介の短編「心中」を読んでの執筆。何度も推敲したことだと思う。彼の作品に芥川が宿っている気さえした。
やちとうかさんの感想
川端の『心中』を読んだが、掴みかね、こちらの梶井を読んだ。が、なお掴みかねている。
19双之川喜41さんの感想
最近、 音に 対して 苦痛的な 反応を 示してしまう人は 一定数おり 病名を つけられるに 至る ことも 稀ではないとの 学会の 報告に 気づいた。基次郎の 文章は 幻聴に 苦しむ 男の 深層心理を 優れた 芸術作品に 昇華させ 抜きん出たものに 辿り着いたと 想った。
3e014bc27a30さんの感想
妻と子を捨てた男が日常の中の音に自分の娘を感じ、強迫観念じみた恐怖を覚える。俺の心臓をかき乱すからゴム毬をつくな、靴を履かせるな、瀬戸物でものを食わせるな、音を一切立てるな、ーーその通り彼女らは死に、不思議と男もその枕を並べていた。 従う母娘が哀れ。だが筆者の淡々とした文章は相変わらず好ましい。川端の原作を昔読んだ気がするようなしないような。 今さらだがこの感想の権利アプリに帰属するのか。瑣末なものだが一応文章だし今後はこっちじゃなくて今一度紙に書き付けるか……。横着したのがいけなかったなどうも。