青空文庫

「駆逐されんとする文人」の感想

駆逐されんとする文人

くちくされんとするぶんじん

初出:「現代」1913(大正2)年5月

内田魯庵14
文明開化芸術家描写都市の異化分析的憂鬱懐古

書き出し

▲余の住ってる町は以前は組屋敷らしい狭い通りで、多くは小さい月給取の所謂勤人ばかりの軒並であった。余の住居は往来から十間奥へ引込んでいたゆえ、静かで塵埃の少ないのを喜んでいた。処が二三年前市区改正になって、表通りを三間半削られたので往来が近くなった。道路が広くなって交通が便利になったお庇に人通りが殖えた。自働車が盛んに通るようになった。自然商店が段々殖えて来て、近頃は近所の小さな有るか無いかのお稲

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