青空文庫

「渡り鳥」の感想

渡り鳥

わたりどり

太宰18
下宿生活文学不信芸術家描写虚構と真実孤絶憂鬱軽妙

書き出し

おもてには快楽をよそい、心には悩みわずらう。——ダンテ・アリギエリ晩秋の夜、音楽会もすみ、日比谷公会堂から、おびただしい数の烏が、さまざまの形をして、押し合い、もみ合いしながらぞろぞろ出て来て、やがておのおのの家路に向って、むらむらぱっと飛び立つ。「山名先生じゃ、ありませんか?」呼びかけた一羽の烏は、無帽蓬髪の、ジャンパー姿で、痩せて背の高い青年である。「そうですが、……」呼びかけられた烏は中年の

2024/04/14

19双之川喜41さんの感想

 音楽会の 帰り道に ただの酒に ありつこうとして あることないことを 手当たり次第に 繰り出す。持ち込み原稿の 「ある踊り子の問わず語り」に 出版社から 難ありとされたので 「男女合戦」と 改題したら うまく 売れた男を 著者は 借金のある 馴染みの 飲み屋に 連れ込み たかり作戦にでる。饒舌体で 独白体なので 訳がわからんけど オリジナルな 文体を 書く 文人は いたためしがないには 同感した。

2018/11/05

yondaさんの感想

何か太宰治をと思い気楽に読んでみた。 人と話すときの頭というのは実にこんな風だなあと思う。愚痴事やお気に入りのフレーズのリフレインの洗練された野暮ったさがリアルで良い。また『立つ鳥~』とは言ったものだが、下世話で濁り切った様子がコントラストになっていて、逆に清々しい。

2017/04/29

4798d837134cさんの感想

愛すべきクズを書かせたら右に出る者は無いんじゃないかって思う。 主人公はブレない芯みたいなものを一つも持っていない。 相手の顔色を伺ってコロコロ自分を変えるし、偉そうに語る言葉も他人の受け売りで薄っぺらい。 その上、不誠実で恥知らず。 すがすがしい程の小者っプリを笑いながら読んでいたけど、 自分と何が違うのかって聞かれたら答えられない。人間ってヤツは!

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