ひぶん
初出:「新思潮」1923(大正12)年7月10日発行、第6次の2第1号
書き出し
雨は降り続いた。併し、ヘルモン山上のガルタンの市民は、誰もが何日太陽を眺め得るであらうかと云ふ予想は勿論、何日から此の雨が降り始めたか、それすら今は完全に思ひ出すことも出来なくなつた。人々の胃には水が溜つた。さうして、婦女達の乳房はだんだん青く脹らみ、赤子や子供は水を飲まされた怒りのために母親の乳首を噛んだ。最早や人々は空を見飽きた。高窓から首を差し出して空を仰いでゐるのを見ると、通行人は腹立たし…
羅生門
禁酒の心
赤い蝋燭
8eb05d040692さんの感想
都市が人が滅び行く物語かな。