青空文庫

「樺太脱獄記」の感想

樺太脱獄記

からふとだつごくき

初出:「文藝倶楽部 一八ノ一」1912(明治45)年1月1日

鴎外114
孤絶歴史的人物の描写自然と人間の冥通憂鬱静謐

書き出し

一己はこのシベリア地方で一般に用ゐられてゐる、毛織の天幕の中に住んでゐる。一しよにゐた男が旅に出たので、一人でゐる。北の国は日が短い。冷たい霧が立つて来て、直ぐに何もかも包んでしまふ。己は為事をする気になられない。ランプを点けるのが厭なので、己は薄暗がりに、床の上で横になつてゐる。あたりが暗くて静かな時には、兎角重くろしい感じが起るものである。己はせうことなしに、その感じに身を委ねてゐる。さつきま

2025/08/09

艚埜臚羇1941さんの感想

  果てしない 極寒の 森の中を 徒歩で 目立たないように 抜けだす という 広く みんなの イメージの 中の よくある 脱獄とは 全く 違った 詩趣に 溢れた 話である。歩きながら 眠るとする 本当かと くびを 傾げる ような 稀有な 表現が 随所に 見られ それも 愉しい。また 先達格の 高齢の 爺さんは わけのわからない 言動で 一行を 不安に 怯え させるけど ここぞと いうときには 的確な 指示が 蘇る のには 苦笑した。生きて いるうちに この本が 読めて 本当に 良かったと 感じた。

2019/12/02

b9ef941530ccさんの感想

鴎外の樺太の囚人の生活を生き生きと描写したもの。しかし、登場してくるワシリは焼酎の密売で大儲けしたのか、見つかって処刑されたのか?鴎外も芥川同様、読者に考えさせる。

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