はいきょから
書き出し
八幡村へ移った当初、私はまだ元気で、負傷者を車に乗せて病院へ連れて行ったり、配給ものを受取りに出歩いたり、廿日市町の長兄と連絡をとったりしていた。そこは農家の離れを次兄が借りたのだったが、私と妹とは避難先からつい皆と一緒に転がり込んだ形であった。牛小屋の蠅は遠慮なく部屋中に群れて来た。小さな姪の首の火傷に蠅は吸着いたまま動かない。姪は箸を投出して火のついたように泣喚く。蠅を防ぐために昼間でも蚊帳が…
陣中日誌(遺稿)
窓
大導寺信輔の半生
c284a6ba3c4aさんの感想
端的ですごくいい。扱ってる事柄が事柄だから事実を羅列してもつらさが滲み出てきちゃうところはあるけど感情が引っ張られすぎずに読めて良かった。