うみのほとり
初出:「中央公論」1925(大正14)年9月
書き出し
一……雨はまだ降りつづけていた。僕等は午飯をすませた後、敷島を何本も灰にしながら、東京の友だちの噂などした。僕等のいるのは何もない庭へ葭簾の日除けを差しかけた六畳二間の離れだった。庭には何もないと言っても、この海辺に多い弘法麦だけは疎らに砂の上に穂を垂れていた。その穂は僕等の来た時にはまだすっかり出揃わなかった。出ているのもたいていはまっ青だった。が、今はいつのまにかどの穂も同じように狐色に変り、…
断崖の錯覚
なかじきり
十年の思い出
19双之川喜41さんの感想
夏も終わりに 近ついた頃の 海水浴場の近くに 逗留していた 男二人の 日々を 綴っている。 よくある描写は 芥川が 普通に 文章を書くと こう成るということを 示しているのが 興味深い。