りょくいじんでん
書き出し
趙源は家の前へ出て立った。路の上はうっすらと暮れかけていた。彼はその時刻になってその前を通って往く少女を待っているところであった。緑色の服装をして髪を双鬟にした十五六になる色の白い童女で、どこの家のものとも判らないし、また、口を利き合ったというでもないが、はじめて顔を合わした時から、その潤みのある眼元や口元に心を引きつけられていた。そして、翌晩となり、翌々晩となるに従って、二人の間は非常に接近した…
黒死館殺人事件
南蛮寺門前
髪切虫