青空文庫

「愛卿伝」の感想

愛卿伝

あいけいでん

伝説の翻案古典の翻案女性の内面歴史的人物の描写厳粛叙情的懐古

書き出し

胡元の社稷が傾きかけて、これから明が勃興しようとしている頃のことであった。嘉興に羅愛愛という娼婦があったが、容貌も美しければ、歌舞音曲の芸能も優れ、詩詞はもっとも得意とするところで、その佳篇麗什は、四方に伝播せられたので、皆から愛し敬われて愛卿と呼ばれていた。それは芙蓉の花のように美しい中にも、清楚な趣のあった女のように思われる。風流の士は愛卿のことを聞いて、我も我もと身のまわりを飾って狎れなずも

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