出家とその弟子
しゅっけとそのでし
初出:「生命の川 第一巻第二号~第二巻第二号」1916(大正5)年11月16日~1917(大正6)年3月5日
倉田百三約320分
宗教的葛藤死の受容自我の葛藤厳粛叙情的怪奇
書き出し
この戯曲を信心深きわが叔母上にささぐ極重悪人唯称仏。我亦在彼摂取中。煩悩障眼雖不見。大悲無倦常照我。(正信念仏偈)序曲死ぬるもの——ある日のまぼろし——人間(地上をあゆみつつ)わしは産まれた。そして太陽の光を浴び、大気を呼吸して生きている。ほんとに私は生きている。見よ。あのいい色の弓なりの空を。そしてわしのこの素足がしっかりと踏みしめている黒土を。はえしげる草木、飛び回る禽獣、さては女のめでたさ、…
2022/05/13
阿波のケンさんさんの感想
親鸞の物語だ。仏を信じる人もそうでない人も又宗派の違う人も一読することをお勧めします。
2019/10/24
19双之川喜41さんの感想
「お銭なしに、遊ぼうと言うのは虫がよすぎる」 遊女と恋に落ちた僧侶は 煩悶の 土壺(どつぼ)にはまる。 これだけ 考え抜かれた恋もめずらしい。 かつては 高校生の必読の書とされたのも さもありなんと 感じる 。
2016/09/17
1c96159231d6さんの感想
愛というものと仏法との浸透圧。西なる思想と東なる思想の筏の上で、命というものの腥ささを苦心して表現している作品だと感じた。作家が生きた時代、そして今、善鸞は無数に生きており人間性についての問いは終わらない。テクストとして、またコンテクストとして複眼的にこの戯曲を透視してみる楽しみにもなった作品であった。土壌こそ違え、彼が生存していて佐藤泰志の作品など読んだら、どんな感慨をもつだろう。ロマン・ロランから手紙も届いたと何処かに書いてあったが、海外ではどれほど読まれてるのだろうとも思った。真剣勝負の佳戯曲なり。
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