かいいき
書き出し
一砂山を細く開いた、両方の裾が向いあって、あたかも二頭の恐しき獣の踞ったような、もうちっとで荒海へ出ようとする、路の傍に、崖に添うて、一軒漁師の小家がある。崖はそもそも波というものの世を打ちはじめた昔から、がッきと鉄の楯を支いて、幾億尋とも限り知られぬ、潮の陣を防ぎ止めて、崩れかかる雪のごとく鎬を削る頼母しさ。砂山に生え交る、茅、芒はやがて散り、はた年ごとに枯れ果てても、千代万代の末かけて、巌は松…
縮緬のこころ
緑の芽
婦系図
鳥谷さんの感想
不気味な海と話の最後が素晴らしい