若き日の思い出
わかきひのおもいで
初出:不明
約6分
cdd6f53e9284さんの感想
祥伝社から出版された朝井まかての新刊「ボタニカ」は、牧野富太郎の生涯を描いた長編小説だ。
評判もいい。
それに、本書を紹介した書評というのも、簡にして要領を得た秀逸な文章だったので、ここをメモ帖代わりに書き留めさせていただく。
ずいぶん勝手な話だが、お許し願う。
「土佐の造り酒屋の家に生まれた牧野は、その一念で植物学を独学で学び、やがて学究生活に入っていく。
牧野の生き方は、とても世渡り上手とは言えないだろう。
研究や書籍に惜しみなく金を注ぎ込み、生家の家業は傾いていく。
学位を気にせずに、出版活動にいそしむ姿勢は独善的と受け取られ、大学の先達の怒りを買うこともあった。
子供のように無邪気に研究に打ち込み、時には周囲を振り回す人物。
植物が語りかける幻想的な場面を交えながら、著者は軽やかにその光と影をつづっていく。
周囲との軋轢を恐れず、信じる道を突き進む牧野には、何に対しても忖度しない強さがある。」