青空文庫

「植物知識」の感想

植物知識

しょくぶつちしき

書き出し

まえがき花は、率直にいえば生殖器である。有名な蘭学者の宇田川榕庵先生は、彼の著『植学啓源』に、「花は動物の陰処の如し、生産蕃息の資て始まる所なり」と書いておられる。すなわち花は誠に美麗で、且つ趣味に富んだ生殖器であって、動物の醜い生殖器とは雲泥の差があり、とても比べものにはならない。そして見たところなんの醜悪なところは一点もこれなく、まったく美点に充ち満ちている。まず花弁の色がわが眼を惹きつける、

2015/12/18

0e891017c650さんの感想

観賞用や果物として馴染み深い植物の形や来歴について、著者の考察を交えながら軽快な筆致で書かれている。一種の紹介文毎に、筆者の描いたイラストつきである。若干のデフォルメがあるが、それがイラストの味わいを増している。 最後の10ページが印象深い。植物学の大家として、一つの学問分野に人生を注いだ著者の博愛が伝わってくる。学問を突き詰めるということは、このような真理に近づくための修行の道の一つなのだろう。

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