青空文庫

「阿部一族」の感想

阿部一族

あべいちぞく

初出:「中央公論」1913(大正2)年1月

鴎外79
回顧的歴史的人物の描写死の受容厳粛静謐

書き出し

従四位下左近衛少将兼越中守細川忠利は、寛永十八年辛巳の春、よそよりは早く咲く領地肥後国の花を見すてて、五十四万石の大名の晴れ晴れしい行列に前後を囲ませ、南より北へ歩みを運ぶ春とともに、江戸を志して参勤の途に上ろうとしているうち、はからず病にかかって、典医の方剤も功を奏せず、日に増し重くなるばかりなので、江戸へは出発日延べの飛脚が立つ。徳川将軍は名君の誉れの高い三代目の家光で、島原一揆のとき賊将天草

2021/04/04

0fe376093dc0さんの感想

読み次がれる古典ですが、筆致に臨場感はなく淡々と事実が語られてゆくだけで、これと言ったものは無いのですが、読ませるというか、あっという間に読了しました。忠義が絶対的価値だった時代の事件を現代の視点では 推量れませんが、侍とは辛いものですね。命の安きこと褥の如し、主君が要らなくなったら、ハイそれまでよですからね。

2019/10/28

86907b788e63さんの感想

忠義物と言うのであろうか、ただもう、阿部一族への仕打ちがあわれであった。釈然としない。

2015/12/23

奥津棄戸明さんの感想

許されない殉死から始まった阿部一族の滅亡。また許しを得て殉死した家臣も後を追って当然という家中の空気の中で己や家の面目のために命を捨てなけれならなかった。 殉死いや武家社会の馬鹿馬鹿しさを訴えかけているのである。特に一重臣の浅知恵から来る思いつきによる家督相続の扱いから、長子の反発を招き、やがてそれが一族殲滅の沙汰につながるというこの顛末に恐ろしさを感じるばかりだ。

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