青空文庫

「オリンポスの果実」の感想

オリンポスの果実

オリンポスのかじつ

初出:「文学界」1940(昭和15)年9月号

田中英光230
喪失と記憶孤絶文壇交友青年の苦悩叙情的回顧的憂鬱

書き出し

一秋ちゃん。と呼ぶのも、もう可笑しいようになりました。熊本秋子さん。あなたも、たしか、三十に間近い筈だ。ぼくも同じく、二十八歳。すでに女房を貰い、子供も一人できた。あなたは、九州で、女学校の体操教師をしていると、近頃風の便りにききました。時間というのは、変なものです。十年近い歳月が、当時あれほど、あなたの事というと興奮して、こうした追憶をするのさえ、苦しかったぼくを、今では冷静におししずめ、ああし

2024/04/23

19双之川喜41さんの感想

 オリンピック団体競技に 選手として参加した 槽艇(そうてい)選手の 淡い慕情 (ぼじょう)を 綿々(めんめん)と 綴っている。客船で ハワイを経由して 米国に至る描写は 実録ということもあり 当時 国力が 隆盛に向かっていた我が国の 移民達の 熱狂ぶりに 涙を誘われること しきりである。今日 コロナ下でもあり 一読する 価値が あると想った。

2023/06/16

616ff25f0c8eさんの感想

まあ、結局一人勝手に妄想の世界でときめいたり、苦しんでいたという事なのだろーか?恋愛に限らず人生とは落胆が多いものです…

2021/02/14

姓名さんの感想

田中英光の出世作であり彼の師である太宰治によりタイトルを付けられた小説 オリンポスの果実 時代や主人公(私小説なので田中英光自身)にもどかしさを感じつつも、オリンピックへの行き帰りに繰り広げられた瑞々しい青春の様子を感じ取れる。 また最後の数文に無情を感じた。

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