青空文庫

「源氏物語」の感想

源氏物語

げんじものがたり

09 葵

09 あおい

紫式部76
古典の翻案恋愛観の相対化歴史的人物の描写叙情的回顧的

書き出し

恨めしと人を目におくこともこそ身のおとろへにほかならぬかな(晶子)天子が新しくお立ちになり、時代の空気が変わってから、源氏は何にも興味が持てなくなっていた。官位の昇進した窮屈さもあって、忍び歩きももう軽々しくできないのである。あちらにもこちらにも待って訪われぬ恋人の悩みを作らせていた。そんな恨みの報いなのか源氏自身は中宮の御冷淡さを歎く苦しい涙ばかりを流していた。位をお退きになった院と中宮は普通の

1 / 0