青空文庫

「曠野」の感想

曠野

あらの

初出:「改造」1941(昭和16)年12月号

辰雄28
古典の翻案孤絶家族不和貧困叙情的懐古静謐

書き出し

忘れぬる君はなかなかつらからでいままで生ける身をぞ恨むる拾遺集一そのころ西の京の六条のほとりに中務大輔なにがしという人が住まっていた。昔気質の人で、世の中からは忘れられてしまったように、親譲りの、松の木のおおい、大きな屋形の、住み古した西の対に、老妻と一しょに、一人の娘を鍾愛しみながら、もの静かな朝夕を過ごしていた。漸くその一人娘がおとなびて来ると、ふた親は自分等の生先の少ないことを考えて、自分等

2025/07/21

ふねりさんの感想

京と近江という地理的距離が男と女の心理的距離の表象となっており、京で育んだ思慕は近江には存在し得ないという構造は、無意識にハッピーエンドを期待する読者を華麗に裏切ってくれた。歌題となるような動植物が自然に取り入れられている点もまるで和歌を嗜んでいると読者に錯覚させるようで、始終美しい作品である。

2022/03/31

4b0e03c3248fさんの感想

真実の愛とは人間には手の届かぬものなのです。

2019/11/04

bf17a811cc5dさんの感想

王朝物である。 儚い女性を描くのが得意ですね、この作家は。

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