青空文庫

「床屋」の感想

床屋

とこや

内省日常の非日常職業描写叙情的軽妙静謐

書き出し

本郷区菊坂町※九時過ぎたので、床屋の弟子の微かな疲れと睡気とがふっと青白く鏡にかゝり、室は何だかがらんとしてゐる。「俺は小さい時分何でも馬のバリカンで刈られたことがあるな。」「えゝ、ございませう。あのバリカンは今でも中国の方ではみな使って居ります。」「床屋で?」「さうです。」「それははじめて聞いたな。」「大阪でも前は矢張りあれを使ひました。今でも普通のと半々位でせう。」「さうかな。」「お郷国はどち

1 / 0