青空文庫

「クラリモンド」の感想

クラリモンド

クラリモンド

初出:「クレオパトラの一夜」新潮文庫、新潮社、1914(大正3)年10月16日

宗教的葛藤怪奇歴史的人物の描写回顧的鬱屈

書き出し

兄弟、君はわしが恋をした事があるかと云ふのだね、それはある。が、わしの話は、妙な怖しい話で、わしもとつて六十六になるが、今でさへ成る可く、其記憶の灰を掻き廻さないやうにしてゐるのだ。君には、わしは何一つ分隔てをしないが、話が話だけに、わしより経験の浅い人に話しをするのは、実はどうかとも思つてゐる。何しろわしの話の顛末は、余り不思議なので、わしが其事件に現在関係してゐたとは自分ながらわしにも殆ど信じ

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