青空文庫

「よろこびはその道から」の感想

よろこびはその道から

よろこびはそのみちから

初出:「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年5月30日

恋愛観の相対化自己認識静謐内省的叙情的憂鬱

書き出し

よろこびはその道から宮本百合子夕暮仕事につかれ「赤と黒」とを手にもって縁側に腰かけているきょうも空しいままに暮れたわがよろこびの小径を眺めながら。松の木と木の間をぬけて草道はうねりあっちの林へ消えているその道の果はこの庭この間の嵐で松の落葉の散りしいたこの小径はよろこびの小径夕方、六時が半分すぎた頃この道からおかしな二輪車があらわれる草の上だから音もなく樹間にちらつく俥夫の白シャツはわたしのうれし

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